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衝動-4

久々過ぎる更新です。
そして、まだ実は終わってません!



 余韻から醒めたときには、リッドは気を失っていた。
 そうしてから、漸くとんでもない事をしてしまったという自覚が生まれた。

 無理やり組み敷いて犯すだなんて。最低じゃないか。
 
 だが、過ぎた事をあれこれ言っても仕方がない。
 許してくれなくても一先ずは潔く謝罪するしかないだろう。
 それには、リッドが目を覚まさなければどうする事も出来ない。
 とりあえずリッドの体を清め、リッドが気が付くのを待つ事にした。

 なのだが、待っている間にどうやら眠ってしまったらしかった。
 はたと目を覚ましたときには、リッドの姿はどこにもなかった。

 起きたのなら、一緒の部屋になどいたくないだろう。
 そう思われるだけの事をしたのだから。
 けど、窓から外を見れば、まだ夜明け前の頃だ。
 部屋にいたくないにしても行ける場所は少ない。
 まさか宿の外にまでは出ていないだろうが、一体一人でどこまで行ってしまったのか。
 心配になってしまう。

 隣の、ファラ達のところに行く事は多分ないだろう。
 とすると、宿の他のどこかか。

 いっそ探しに行こうかと思い悩んでいると、小さな音を立ててドアが開いた。
 驚いて振り返ってみればなんとリッドがそこにいた。
 てっきり、少なくとも朝までは戻ってこないだろう、と思っていたのに。

 リッドは、僕に気付くと僅かに脅えたような顔をしたけど、見た目は普通に歩いて部屋に入ってきた。


「どこ、か、行ってたのか?」
「風呂……。夜中開いてるって、聞いてたから」


 見れば確かに、髪は半分濡れているままで、風呂上りだろう事はすぐ知れた。
 服は、いつもの夜着になっている。
 多分、全て洗い流したかったんだろう。僕に触れたものを。その全てを。

 けど、よく普通に動けるなと、少し感心してしまう。
 あれだけ、普段し慣れているはずもない動きをさせられて、無理やり男のものを受け入れさせられて。
 身体は本当に大丈夫なのだろうか。

 なんて事を思っていたら、ベッドに腰掛けようとしたその動きが一瞬不自然に止まった。
 すぐに何事もなかったように腰を下ろしていたけど、その、一瞬だけの動きに居たたまれなくなった。
 思わず謝罪の言の葉が口を衝いて出ていた。
 リッドの目の前で、腰を90度に曲げて頭を下げる。


「すまない、リッド」
「は? 何だよ、いきなり」
「いや、だから、さっきの、事なんだが……」
「あー、お前がわりと馬鹿な事する奴だったって分かったあれか」
「馬鹿……。い、いや……それは確かかもしれないが」
「まあ、仕方ねぇか。キールでもそういう年頃だったわけだろ?」
「――――は?」
「けど、ほんと、馬鹿だろ。いくら近くに適当な奴がいなくったってよ、男のオレで試すなんてさ」


 顔を上げれば、リッドは何でもないことだったかのように軽く笑っている。
 これはまさか。もしかしてだ。
 何もなかった事にしようとしているのか?

 正直、その方が有り難くも思える。
 だけど、つい漏らしてしまった僕の告白も、全てない事にするのか?
 あんな事までされてもお前は、それでも僕の事を見ないというのか!

 堪らず叫んでいた。


「ふざけるな!」
「は? え? キール? 何怒ってんだよ?」
「これが怒らずにいられるか! 僕はお前が好きなんだぞ? なのにお前は、それすら無視するのか?
 何もなかったようにされるくらいなら、罵られた方がマシだ! 怒りすら向けてくれないなんて……っ!
 僕は、本当にお前にとって何なんだ? これじゃまるでただの物も同然じゃないか!」


 勢いのままに捲くしたてれば、リッドは何とも言えない顔をしていた。
 それは驚きのようでいて呆れのようでもあって、怒りでもあり、哀しみでもあった。
 ただ、呆然と僕を眺めていた。かと思えば唐突に俯く。
 そうして、俯いた下から呟くような声で言った。


「…………。怒ればいいのかよ」


 言うや否やいきなり腕を掴まれて、引き寄せられたかと思えば、いつの間にやらベッドに押し倒されていた。
 やはり力ではリッドに敵わないようだ。
 リッドは僕に覆い被さるようにし、顔は伏せ気味のまま呟いた。


「キール……もし、お前がオレの事を嫌いでないんなら、このまま任せてくれないか?」








友人からスライディング土下座と称された、キールの謝罪でした。
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